所長挨拶
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はじめに

金沢大学
がん進展制御研究所長

大島 正伸

金沢大学がん進展制御研究所は、全国の国立大学附置研究所の中でも、唯一の「がん研究」に特化した研究所で、約50年の研究の歴史があります。現在「がん」は日本人の死亡原因のトップであり、3人に1人ががんで亡くなっています。とくに、遠隔臓器への転移や再発などの進行がんの生存率は低いため、転移や再発に代表される「がんの悪性化進展」を制御することが、将来の長寿健康社会の実現にとても重要です。そのような観点から、金沢大学がん進展制御研究所では、「がんの悪性化進展機構」に焦点をあてた研究を推進し、革新的な治療方法の開発を目指しています。平成22年度に、文部科学省より「がんの転移と薬剤耐性に関する先導的共同研究拠点」として全国共同利用・共同研究拠点認定を受けて、国内外との共同研究を展開しています。

共同研究拠点として、本研究所で開発した研究資源の提供や、研究設備の共通利用などを通して、毎年50件程度の先進的な共同研究を推進し、数々の研究成果を発表しています。平成26年度から、国際共同研究の公募・採択も始めました。特筆すべき研究成果についてはホームページ上で紹介していますので、ご覧下さい。

また、国内のがん研究者コミュニティのネットワーク構築を目的として、毎年「共同研究拠点シンポジウム」および「金沢がん生物国際シンポジウム」を開催し、国内外の第一線で活躍する研究者による口演や、全国の若手がん研究者によるポスター発表会等を金沢で実施しています。このような活動を通して、明日の日本のがん研究を牽引する若手人材育成を推進しています。また、がん研究領域における女性研究者の育成にも取り組んでおり、平成26年度には、「金沢女性がん研究者フォーラム」を開催しました。シンポジウム関連の情報は随時ご案内致しますので、多くの皆さんのご参加をお待ちしております。

このように、金沢大学がん進展制御研究所では、がんの克服に向けた研究推進のために、国内外との共同研究を推進する中核的研究施設として、これからも発展し続けて行きたいと考えています。皆様のご理解とご協力を賜る事が出来ましたら幸いです。

平成27年3月13日 がん進展制御研究所長 大島 正伸