共同利用・共同研究拠点

主な成果

ユビキチンリガーゼFbxw7阻害により、白血病幹細胞は静止状態から追い出され、薬剤感受性が亢進する

Ablation of Fbxw7 eliminates leukemia-initiating cells by preventing quiescence.
共同研究者

九州大学生体防御医学研究所 中山敬一 金沢大学がん進展制御研究所 平尾 敦

発表論文

Cancer Cell 23:347-61, 2013

著者

Takeishi S, Matsumoto A, Onoyama I, Naka K, Hirao A, Nakayama KI.

要 旨

白血病幹細胞は、細胞周期を脱出した静止期に留まり、抗がん剤治療抵抗性を示すと考えられている。白血病幹細胞特異的細胞周期制御機構を理解することは、白血病根治療法を考える上で非常に重要である。本研究では、ユビキチンリガーゼFbxw7が、細胞周期のアクセルとしてはたらくc-Mycを分解することにより、白血病幹細胞の静止期維持に寄与していることを明らかにした。さらに、Fbxw7を欠損させた白血病幹細胞は分子標的薬剤(チロシンキナーゼ阻害剤)に対する感受性が亢進していることを示した。本研究成果は、Fbxw7阻害と抗がん剤を併用することにより治療後の再発を抑制できることを示唆しており、今後の抗がん剤開発に重要な知見となった。


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白血病幹細胞(LSC)のG0期制御におけるユビキチンリガーゼFbxw7の役割 G0期の白血病幹細胞は、抗がん剤抵抗性であるが、Fbxw7の機能を低下させることによって、細胞周期への導入を促し、抗がん剤の感受性を上昇させることが可能となる。 (Cancer Cell 23:347-61, 2013より)