共同利用・共同研究拠点

主な成果

胃ホルモンのガストリンによる胃発がん抑制はTFF1のエピジェネティックな発現阻止の抑制を介する

Inhibition of gastric carcinogenesis by the hormone gastrin is mediated by suppression of TFF1 epigenetic silencing.
共同研究者

米国コロンビア大学 富田弘之(現:岐阜大学病理),Timothy C. Wang,ほか 金沢大学がん進展制御研究所 源 利成

発表論文

Gastroenterology 140: 879-91, 2011

著者

Tomita H, Takaishi S, Menheniott TR, Yang X, Shibata W, Jin G, Betz KS, Kawakami K, Minamoto T, Tomasetto C, Rio MC, Lerkowit N, Varro A, Giraud AS, Wang TC.

要 旨

エピジェネティック異常はヒトの「フィールド発がん」と相関することが知られている.しかし,実験モデルにより特定のエピジェネティック変化が発がんを誘導することを示す根拠は乏しい.本研究は,トレフォイル因子群の1つTFF1のエピジェネティック発現阻止が胃がん動物モデルの発がん機構の一因であることを見出した.また,胃ホルモンのガストリンがTFF1発現抑制を回避して腸型の胃発がんを抑制することを示した.本研究は,腸型胃発がんのメカニズム解明と治療や予防のための実験モデルとなることが期待される.

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図.MNU誘発性腸型胃がんの発がん過程におけるクロマチン修飾とTFF1プロモーターメチル化の変化を示すモデル. (Gastroenterology 140: 879- 91, 2011より)